省エネ法の電子申請の使い方ガイド

省エネ法とは?対象企業の届出義務を解説 > 省エネ法の届出制度|書類・期限・届出先 > この記事

省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)に基づく各種届出は、2024年度報告分から原則として電子申請が求められています。本記事では、省エネ法の電子申請システム「省エネ法・温対法電子報告システム(EEGS)」の具体的な使い方を、アカウント取得から提出完了まで実務担当者が迷わず作業できるレベルで解説します。提出書類の記載項目、記入例、提出先・提出期限、よくある記載ミスと対処法まで網羅しています。

この記事のポイント

  • 削減見込量を具体的な数値とともに記載します。

省エネ法の電子申請が必要になる対象事業者と届出の種類

省エネ法に基づく届出義務は、年間のエネルギー使用量(原油換算)が1,500kL以上の事業者(特定事業者・特定連鎖化事業者)に課されます。該当する事業者は「エネルギー管理統括者・エネルギー管理企画推進者の選任届出」「定期報告書」「中長期計画書」の3種類を主に提出する必要があります(出典:資源エネルギー庁「省エネ法の概要」、2025年度確認)。

電子申請に使用するシステムは「省エネ法・温対法電子報告システム(EEGS:Energy and Environment Governance System)」です。EEGSは経済産業省が運営し、省エネ法の定期報告書・中長期計画書の提出に加え、温対法(地球温暖化対策推進法)の算定排出量報告も一体的に処理できる仕組みになっています(出典:経済産業省「EEGS利用案内」、2025年度確認)。

2024年度報告分(2023年度実績)以降、定期報告書と中長期計画書はEEGSによる電子提出が原則化されました。紙での提出は、システム障害等のやむを得ない場合を除き認められていません。したがって、対象事業者の実務担当者はEEGSの操作方法を確実に習得しておく必要があります。なお、選任届出についてはe-Gov(電子政府の総合窓口)を経由して提出する形式であり、EEGSとは別のシステムを使用する点に注意してください。

電子申請の事前準備:アカウント取得とGビズIDの登録手順

EEGSを利用するには、まず「GビズID」のアカウントを取得する必要があります。GビズIDは経済産業省が提供する法人共通認証基盤で、1つのアカウントで複数の行政サービスにログインできる仕組みです。EEGSの利用には「gBizIDプライム」または「gBizIDメンバー」のアカウントが必要です(出典:デジタル庁「GビズID公式サイト」、2025年度確認)。

gBizIDプライムの取得手順は次のとおりです。GビズIDの公式サイト(https://gbiz-id.go.jp)にアクセスし、「gBizIDプライム作成」を選択します。申請書をダウンロードして必要事項(法人番号・法人名・代表者氏名・印鑑証明書の印影)を記入し、印鑑証明書の原本とともに運営センターへ郵送します。審査には原則2週間程度かかるため、届出期限から逆算して余裕をもって申請してください。審査完了後、登録したメールアドレスに通知が届き、パスワード設定を行えばアカウントが有効化されます。

gBizIDプライムを取得した代表者は、EEGSの管理画面から担当者用の「gBizIDメンバー」アカウントを発行できます。実務上は、エネルギー管理企画推進者や経理担当者にメンバーアカウントを付与し、データ入力と確認を分担する運用が効率的です。アカウント取得後、EEGSのログインページ(https://www.eegs.go.jp)にアクセスし、GビズIDでログインすると事業者情報の初期登録画面が表示されます。ここで法人番号、主たる事業の業種コード(日本標準産業分類に基づく)、エネルギー管理統括者の氏名等を入力して初期設定を完了させます。

定期報告書・中長期計画書の記載項目と記入例

定期報告書は、前年度のエネルギー使用量・原単位・非化石エネルギーの使用割合等を報告する書類です。EEGSでは画面の入力フォームに沿って各項目を入力する形式になっており、主な記載項目は以下のとおりです。

記載項目 記入内容の概要 記入例
事業者の概要 法人名・法人番号・所在地・業種 株式会社○○製作所/1234567890123/東京都千代田区○○1-1-1/製造業(2400)
エネルギー使用量(原油換算kL) 燃料・電気・熱の合計を原油換算で記載 3,250kL(燃料1,800kL+電気1,300kL+熱150kL)
エネルギー原単位 生産量・延床面積等を分母とした原単位 0.325kL/トン(生産量10,000トン)
非化石エネルギー使用割合 再エネ電力・非化石証書等の使用状況 12.5%(非化石証書活用分含む)
ベンチマーク指標(該当業種のみ) 業種別ベンチマーク目標に対する達成状況 目標値0.300に対し実績0.325(未達成)

中長期計画書では、今後3〜5年間の省エネ対策の計画を記載します。具体的には「設備更新計画(例:高効率ボイラーへの更新を2025年度に実施、投資額3,000万円、削減見込量120kL/年)」「運用改善計画(例:空調設定温度の適正管理により年間15kLを削減)」「非化石エネルギー転換計画(例:太陽光発電設備50kWを2026年度に導入)」のように、対策内容・実施時期・投資額・削減見込量を具体的な数値とともに記載します。抽象的な表現(「省エネに努める」等)は評価対象として不十分であり、定量的な記載が求められます(出典:資源エネルギー庁「中長期計画書作成の手引き」、2025年度確認)。

EEGS上での電子申請の具体的手順

EEGSにログインすると、ダッシュボード画面に「定期報告書作成」「中長期計画書作成」のメニューが表示されます。ここからの作業手順を時系列で解説します。

第1ステップは「事業所情報の確認・更新」です。前年度の登録情報が引き継がれているため、事業所の新設・廃止・名称変更等があった場合は最初に修正します。事業所ごとにエネルギー使用量を入力する構成になっているため、事業所情報の正確性が報告全体の基盤となります。

第2ステップは「エネルギー使用量データの入力」です。事業所単位で燃料種別(都市ガス、LPG、A重油、灯油等)ごとの使用量を入力します。EEGSには各燃料の原油換算係数が組み込まれているため、実測値(m³、L、kg等)を入力すれば原油換算値は自動計算されます。電力使用量は、購入電力量(kWh)と電気事業者ごとの排出係数を入力する形式です。なお、2022年度の法改正により非化石エネルギーの使用状況も報告項目に追加されているため、非化石証書の購入量やオンサイト再エネ発電量も忘れずに入力してください。

第3ステップは「原単位・ベンチマーク指標の入力」です。原単位の分母となる活動量(生産量・売上高・延床面積等)を入力し、システムが自動で原単位を算出します。ベンチマーク対象業種(製油業、セメント製造業、コンビニエンスストア等の30業種)に該当する場合は、専用の入力画面でベンチマーク指標の値を入力します(出典:資源エネルギー庁「ベンチマーク制度について」、2025年度確認)。

第4ステップは「中長期計画書の入力」です。設備更新・運用改善・非化石転換の各カテゴリについて、対策名称・実施予定年度・投資額・削減見込量を入力します。前年度提出済みの計画がある場合はその進捗状況(実施済み・実施中・未着手)も記録します。

第5ステップは「確認・提出」です。すべての入力が完了したら「内容確認」ボタンを押し、エラーチェック機能で入力漏れや数値の矛盾がないか自動検証されます。エラーが表示された場合は該当箇所を修正し、再度確認を実行します。問題がなければ「提出」ボタンを押して送信を完了します。提出完了後、登録メールアドレスに受付完了通知が届くので、必ず確認・保存してください。

提出先・提出期限と届出スケジュールの管理

定期報告書と中長期計画書の提出期限は、毎年度7月末日です。具体的には、4月1日から翌年3月31日までの事業年度の実績を、翌年度の7月末日までに提出します。例えば2024年度実績(2024年4月〜2025年3月)の定期報告書は、2025年7月31日が提出期限となります(出典:資源エネルギー庁「省エネ法定期報告書の手引き」、2025年度確認)。

EEGSでの提出先は、システム上で自動的に管轄の経済産業局(地方経済産業局)に振り分けられます。事業者が個別に提出先を選択する必要はありません。ただし、特定事業者の主たる事務所の所在地を管轄する経済産業局が所管官庁となるため、本社所在地の登録が正確であることが前提です。

エネルギー管理統括者・エネルギー管理企画推進者の選任届出は、選任すべき事由が発生した日から6か月以内に届出が必要です。この届出はe-Gov経由で行いますが、届出様式は経済産業省のウェブサイトからダウンロードできます。選任届出のe-Gov上での手続きでは、届出書PDFに電子署名を付してアップロードする方式が採用されています。

実務上のスケジュール管理としては、4月にデータ収集を開始し、5月中にEEGSへのデータ入力を完了、6月に社内確認・承認プロセスを経て、7月上旬に提出するという段取りが推奨されます。7月末の期限直前はシステムへのアクセスが集中し、動作が遅くなる傾向があるため、余裕をもった作業計画が重要です。

よくある記載ミスと対処法

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