ZEH(ゼッチ)の基準と補助金を解説

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ZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、高断熱・高効率設備・再生可能エネルギーの導入によって、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロ以下にすることを目指す住宅です。2050年カーボンニュートラルの実現に向け、国は2030年までに新築住宅の平均でZEH達成を目標に掲げています(出典:経済産業省「ZEHロードマップ」、2025年度確認)。本記事では、ZEHの具体的な基準値、省エネ等級との関係、補助金制度、住宅ローン控除・税制優遇まで、数値を交えて詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 55万円の定額補助が受けられます。
  • 100万円に増額されます。
  • 100万円、ZEH水準の住宅には80万円の補助が支給されます。

ZEH(ゼッチ)とは何か——定義と4つの類型

ZEHとは「Net Zero Energy House」の略称で、住宅の断熱性能を大幅に高め、高効率な設備システムを導入したうえで、太陽光発電などの再生可能エネルギーによって年間の一次エネルギー消費量の収支を正味ゼロ以下にする住宅を指します。経済産業省・国土交通省・環境省の3省が連携してZEH普及を推進しており、2024年度時点でハウスメーカーの注文戸建住宅におけるZEH比率は約60%に達しています(出典:一般社団法人環境共創イニシアチブ「ZEHビルダー実績報告」、2025年度確認)。

ZEHには達成度合いに応じて4つの類型が設定されています。最も基本的な「ZEH」は、強化外皮基準を満たし、再生可能エネルギーを含めて基準一次エネルギー消費量から100%以上の削減を達成する住宅です。「Nearly ZEH」は再生可能エネルギーを含めて75%以上100%未満の削減、「ZEH Oriented」は再生可能エネルギーの導入が困難な都市部の狭小地において強化外皮基準と省エネ基準(再エネ除きで20%以上削減)を満たす住宅を指します。さらに上位の「ZEH+」は、ZEHの要件に加えて、25%以上の一次エネルギー消費量削減(再エネ除き)を達成し、外皮性能のさらなる強化・HEMSの導入・電気自動車への充電設備のうち2つ以上を採用する必要があります。

集合住宅向けには「ZEH-M」という区分もあり、住棟全体で評価する点が戸建住宅との違いです。ZEH-Mにも同様にNearly ZEH-M、ZEH-M Ready、ZEH-M Orientedという段階が設けられており、階数に応じて求められる削減率が異なります。

ZEHの具体的な基準値——外皮性能と一次エネルギー消費量

ZEHの認定を受けるためには、大きく分けて「外皮性能(断熱性能)」と「一次エネルギー消費量の削減率」の2つの基準をクリアする必要があります。

外皮性能については、建築物省エネ法で定める省エネ基準(等級4相当)よりも厳しい「強化外皮基準」が求められます。具体的には、外皮平均熱貫流率(UA値)が地域区分ごとに設定されており、1・2地域(北海道など)ではUA値0.40 W/㎡K以下、3地域(東北の一部)では0.50 W/㎡K以下、4〜7地域(関東〜九州)では0.60 W/㎡K以下が必要です(出典:経済産業省「ZEHの定義(改定版、2025年度確認)」)。これは建築物省エネ法の省エネ基準等級4のUA値(4〜7地域で0.87 W/㎡K)を大きく上回る水準であり、断熱等性能等級でいえば概ね等級5以上に相当します。

地域区分 省エネ基準(等級4)UA値 ZEH強化外皮基準 UA値 対応する断熱等級の目安
1・2地域 0.46 W/㎡K 0.40 W/㎡K以下 等級5相当
3地域 0.56 W/㎡K 0.50 W/㎡K以下 等級5相当
4〜7地域 0.75〜0.87 W/㎡K 0.60 W/㎡K以下 等級5相当

一次エネルギー消費量の削減率については、再生可能エネルギーを除いた段階で基準一次エネルギー消費量から20%以上の削減が必須条件です。ZEH+ではこの要件が25%以上に引き上げられます。そのうえで、太陽光発電等の再生可能エネルギーを加えた場合に100%以上の削減(=正味ゼロ以下)を達成することがZEHの最終要件となります。計算にはWEBプログラム「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)」を使用し、暖冷房・換気・給湯・照明・家電の各エネルギー消費量を算出します(出典:国立研究開発法人建築研究所、2025年度確認)。

ZEH関連の補助金制度——2024〜2025年度の最新情報

ZEHの普及促進のため、国は複数の補助金制度を用意しています。2024年度・2025年度において活用できる主要な補助金は以下のとおりです。

まず「ZEH支援事業」(環境省所管)では、新築戸建住宅でZEH基準を満たす場合に1戸あたり55万円の定額補助が受けられます。ZEH+の場合は100万円に増額されます。さらに蓄電池を導入する場合は、蓄電容量1kWhあたり2万円(上限20万円)が加算されます(出典:一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和6年度ZEH支援事業 公募要領」、2025年度確認)。

次に「子育てエコホーム支援事業」(国土交通省所管・2024年度)では、ZEH水準を満たす長期優良住宅の新築に対して1戸あたり100万円、ZEH水準の住宅には80万円の補助が支給されます。2025年度は後継事業として「子育てグリーン住宅支援事業」が創設され、GX志向型住宅(断熱等級6以上かつ一次エネルギー消費量の再エネ除き35%以上削減)に対して最大160万円の補助が予定されています(出典:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業の概要」、2025年度確認)。

補助金制度 対象住宅 補助額(戸建)
ZEH支援事業 ZEH 55万円/戸
ZEH支援事業 ZEH+ 100万円/戸
子育てエコホーム支援事業(2024年度) ZEH水準の長期優良住宅 100万円/戸
子育てグリーン住宅支援事業(2025年度) GX志向型住宅 最大160万円/戸

補助金の申請はZEHビルダー/プランナーとして登録された事業者を通じて行います。個人が直接申請するのではなく、施工を担当する工務店やハウスメーカーが代理で手続きを進める仕組みです。予算には上限があり、先着順または抽選で採択されるため、早期の計画着手が重要です。

ZEHと住宅ローン控除・税制優遇の関係

ZEH水準を満たす住宅は、住宅ローン控除において大きな優遇を受けられます。2024年・2025年に入居する場合、一般の省エネ基準適合住宅では借入限度額が3,000万円であるのに対し、ZEH水準省エネ住宅では3,500万円、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅では4,500万円まで引き上げられます。控除率は一律0.7%、控除期間は13年間です(出典:国税庁「住宅借入金等特別控除」、2025年度確認)。

具体的な数字で見ると、ZEH水準省エネ住宅で3,500万円を借り入れた場合、年間最大24.5万円(3,500万円×0.7%)、13年間の合計で最大318.5万円の所得税・住民税控除を受けられる計算になります。一方、省エネ基準に適合しない一般の新築住宅は、2024年以降に建築確認を受けた場合、原則として住宅ローン控除の対象外となりました。この制度変更により、ZEH水準の確保は税制面でも事実上の必須条件となっています。

固定資産税の軽減措置についても、認定長期優良住宅(ZEH水準以上を要件に含む)では新築後5年間(マンションは7年間)にわたり税額が2分の1に減額されます。一般住宅の減額期間が3年間(マンションは5年間)であることと比較すると、2年分多く優遇を受けられます(出典:総務省「固定資産税の特例措置」、2025年度確認)。登録免許税についても、認定長期優良住宅は所有権保存登記の税率が本則0.4%から0.1%に軽減され、不動産取得税では課税標準から1,300万円が控除されます(一般住宅は1,200万円控除)。

ZEH住宅の建築費用と投資回収の目安

ZEH住宅の建築には、一般的な住宅と比較して追加費用が発生します。国土交通省の調査によれば、ZEH仕様にするための追加コストは概ね250万〜350万円程度とされています(出典:国土交通省「住宅の省エネルギー基準に関する実態調査」、2025年度確認)。この追加コストの内訳は、高性能断熱材・高性能窓への変更で約80万〜120万円、高効率給湯器(エコキュート等)・高効率空調・LED照明

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