省エネ基準とは?2025年義務化をわかり > 省エネ基準適合住宅とは?証明書の取得方法 > この記事
住宅の断熱性能や設備効率を高める省エネリフォームは、光熱費の削減だけでなく、健康的な住環境の実現や住宅の資産価値向上にも直結します。2025年4月からは建築物省エネ法の改正により、すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務化されました。既存住宅においても省エネ性能の底上げが急務となっており、国や自治体はさまざまな補助金・税制優遇を用意しています。本記事では、省エネリフォームの費用相場から補助金の活用法、省エネ基準の仕組みまでを具体的な数値とともに解説します。
この記事のポイント
- 40万円、床断熱は30万〜80万円が一般的な価格帯です。
- 250万円が相場となります。
- 40万円、住宅全体で250万〜500万円程度を見込む必要があります。
省エネ基準の基本と断熱等級の体系
省エネリフォームを検討するうえで、まず理解すべきなのが住宅の省エネ基準です。住宅の省エネ性能は、「外皮性能(断熱性能)」と「一次エネルギー消費量」の2つの指標で評価されます。外皮性能はUA値(外皮平均熱貫流率)とηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)で表され、一次エネルギー消費量はBEI(設計一次エネルギー消費量÷基準一次エネルギー消費量)で判定されます。
断熱等性能等級は、2022年の「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」改正により、従来の等級4までの体系から等級7まで拡充されました(出典:国土交通省「住宅性能表示制度の見直しについて」、2025年度確認)。等級4は2025年4月以降の省エネ基準適合義務の最低ラインに相当し、UA値は地域区分6(東京・大阪など)で0.87W/(㎡・K)以下です。等級5はZEH基準水準に相当しUA値0.60W/(㎡・K)以下、等級6はUA値0.46W/(㎡・K)以下でHEAT20 G2水準に近く、等級7はUA値0.26W/(㎡・K)以下でHEAT20 G3水準に相当します。
リフォームにおいては、現状の住宅が等級いくつ相当なのかを把握し、目標とする等級を設定することが重要です。1980年以前に建てられた旧耐震住宅では、断熱材が入っていないケースも多く、等級1〜2相当にとどまることが一般的です。こうした住宅を等級4以上に引き上げるには、外壁・屋根・床の断熱材充填に加え、窓の高断熱化が不可欠となります。
| 断熱等性能等級 | UA値目安(6地域) | 水準の目安 |
|---|---|---|
| 等級4 | 0.87以下 | 省エネ基準(適合義務ライン) |
| 等級5 | 0.60以下 | ZEH基準水準 |
| 等級6 | 0.46以下 | HEAT20 G2相当 |
| 等級7 | 0.26以下 | HEAT20 G3相当 |
省エネリフォームの主要工事と費用相場
省エネリフォームの工事内容は大きく「断熱改修」「窓の高断熱化」「設備更新」の3つに分類されます。それぞれの費用相場を把握することで、予算計画と補助金申請の準備を同時に進めることができます。
断熱改修では、外壁への断熱材充填・付加断熱、屋根・天井断熱、床断熱が中心となります。外壁の内側に断熱材を充填する内断熱工法の場合、延床面積30坪程度の木造住宅で80万〜150万円が目安です。外張り断熱工法を採用する場合は150万〜300万円程度に上がります(出典:住宅リフォーム推進協議会「リフォームの費用と相場」、2025年度確認)。天井断熱はブローイング工法であれば15万〜40万円、床断熱は30万〜80万円が一般的な価格帯です。
窓の高断熱化は、省エネリフォームにおいて最もコストパフォーマンスが高い工事です。既存の窓の内側に樹脂製内窓を設置するカバー工法は、1箇所あたり5万〜15万円程度で施工でき、住宅全体(15〜20箇所)では100万〜250万円が相場となります。窓を高性能トリプルガラスの樹脂サッシに交換する場合は、1箇所あたり15万〜40万円、住宅全体で250万〜500万円程度を見込む必要があります。
設備更新としては、高効率給湯器への交換が代表的です。エコキュート(ヒートポンプ式給湯器)への交換費用は機器代と工事費を含めて35万〜60万円、ハイブリッド給湯器は50万〜80万円が相場です(出典:資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」、2025年度確認)。エアコンの高効率機種への入替えは1台あたり10万〜25万円、LED照明への全館交換は15万〜30万円程度です。これらを総合すると、住宅全体の省エネリフォームでは300万〜800万円程度の総額となるケースが多く、工事範囲と目標等級によって大きく変動します。
活用できる主な補助金制度
省エネリフォームには国の複数の補助金制度が用意されています。2025年度においては、「子育てグリーン住宅支援事業」が住宅の省エネ改修に対する主要な補助制度として運用されています(出典:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業」公式サイト、2025年度確認)。
子育てグリーン住宅支援事業のリフォーム区分では、窓の断熱改修、外壁・屋根・天井・床の断熱改修、エコ住宅設備の設置などが補助対象となっています。補助上限額は、子育て世帯・若者夫婦世帯で1戸あたり最大60万円、その他の世帯で最大30万円です。長期優良住宅の認定を取得するリフォームの場合は補助上限が引き上げられます。
経済産業省が所管する「先進的窓リノベ2025事業」は、窓の高断熱化に特化した補助制度です。補助上限額は1戸あたり最大200万円で、工事内容に応じて補助額が算定されます(出典:環境省「先進的窓リノベ2025事業」公式サイト、2025年度確認)。内窓設置の場合、掃き出し窓(大)1箇所あたり最大11万2,000円、腰高窓1箇所あたり最大5万2,000円など、窓の大きさと性能に応じて補助単価が設定されています。住宅全体の窓を改修すると、補助額の合計が100万円を超えるケースも珍しくありません。
給湯省エネ2025事業では、高効率給湯器の導入に対して補助が受けられます。エコキュートは1台あたり最大13万円、ハイブリッド給湯器は最大15万円、エネファーム(家庭用燃料電池)は最大20万円の補助額が設定されています(出典:資源エネルギー庁「給湯省エネ2025事業」公式サイト、2025年度確認)。これらの補助金は併用が可能な場合があり、窓リノベ事業と給湯省エネ事業を組み合わせることで、リフォーム費用の30〜40%を補助金で賄えるケースもあります。
省エネ性能の計算方法と適合確認の手続き
省エネリフォームで補助金を受けるためには、改修後の住宅が所定の省エネ性能を満たすことを計算により証明する必要があります。住宅の省エネ性能計算には、「標準計算ルート」「簡易計算ルート」「仕様ルート」の3つの方法があります(出典:国土交通省「住宅の省エネ性能の評価方法について」、2025年度確認)。
標準計算ルートは、国が提供する「エネルギー消費性能計算プログラム(WEBプログラム)」を使用して、外皮性能と一次エネルギー消費量を詳細に計算する方法です。各部位(壁・屋根・床・窓・ドア)の断熱仕様、方位、面積を入力し、UA値・ηAC値・BEIを算出します。リフォームの場合は、改修する部位の仕様を変更後の値に置き換えて計算を行います。
簡易計算ルートは、外皮面積を簡略化して計算する「モデル住宅法」などがあり、計算の手間を軽減しつつ一定の精度を確保できます。仕様ルートは、使用する断熱材の種類と厚さ、窓の仕様が所定の基準を満たしているかを仕様表で確認する方法で、計算は不要ですが、選択できる仕様に制限があります。
適合確認の手続きとしては、2025年4月以降、新築住宅では建築確認申請時に省エネ基準への適合を示す書類の提出が義務化されています。リフォームの場合は建築確認が不要な工事が大半のため、省エネ基準適合の義務は直接的にはかかりません。ただし、補助金申請時には性能証明書や計算結果の提出が求められます。先進的窓リノベ事業では、施工業者が事業者登録を行い、補助対象製品の型番と施工内容を申請システムに入力して交付申請を行う仕組みとなっています。
住宅ローン控除・税制優遇との関連
省エネリフォームは補助金だけでなく、税制面でも大きな優遇を受けることができます。所得税の特別控除(リフォーム減税)では、省エネ改修工事を行った場合、標準的な工事費用相当額(上限250万円、太陽光発電設備を設置する場合は上限350万円)の10%を所得税額から控除できます。2025年12月31日までに居住の用に供した場合が対象です(出典:国税庁「住宅の省エネ改修に係る所得税額の特別控除」、2025年度確認)。
住宅ローンを利用してリフォームを行う場合は、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用を受けることも可能です。省エネ基準適合住宅の場合、借入限度額は3,000万円、ZEH水準省エネ住宅では3,500万円が2024年・2025年入居分の上限として設定されています(出典:国土交通省「住宅ローン減税の概要」、2025年度確認)。控除率は0.7%、控除期間は10年間です。つまり、ZEH水準の省エネリフォームでローンを3,500万円借り入れた場合、年間最大24万5,000円、10年間で最大245万円の所得税・住民税の控除が受けられる計算になります。
固定資産税の減額措置も見逃せません。省エネ改修工事を行った住宅については、翌年度分の固定資産税額(120㎡相当部分まで)が3分の1減額されます。適用を受