省エネ基準とは?2025年義務化をわかり > 省エネ基準適合住宅とは?証明書の取得方法 > この記事
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は、住宅を取得して住宅ローンを利用する方にとって最大級の税制優遇制度です。2024年以降は省エネ性能に応じて借入限度額が大きく変わる仕組みとなり、省エネ基準を満たさない住宅は原則として控除対象外となりました。本記事では2024年・2025年入居に対応した最新の借入限度額一覧、控除額の計算例、必要書類、申請手順までを網羅的に解説します。
この記事のポイント
- 3,000万円、その他の住宅が2,000万円で、控除期間は一律10年間です。
- 3,500万円を超える期間は3,500万円が上限となります。
- 3,500万円 × 0.7% = 24.5万円です。
住宅ローン減税制度の基本的な仕組みと2024年改正のポイント
住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用して住宅を取得・増改築した場合に、年末時点のローン残高に一定の控除率を乗じた金額を所得税(及び住民税の一部)から差し引く制度です。控除率は一律0.7%で、控除期間は新築住宅の場合13年間、中古住宅の場合10年間です(出典:国税庁「住宅借入金等特別控除」、2025年度確認)。
2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅については、省エネ基準への適合が住宅ローン減税の必須要件となりました。これは2022年度税制改正で段階的に導入された方針の延長であり、2050年カーボンニュートラル実現に向けた住宅分野の脱炭素政策の一環です。従来は省エネ性能に関係なく一律の借入限度額が適用されていましたが、現在は住宅の省エネ性能ランクに応じて3段階の借入限度額が設定されています。
具体的には「認定長期優良住宅・認定低炭素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」の3区分に分かれ、省エネ基準に適合しない「その他の住宅」は2024年以降の新築では原則として控除対象外です。ただし、2023年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または2024年6月30日までに建築された住宅であれば、経過措置として借入限度額2,000万円・控除期間10年間が適用されます(出典:国土交通省「住宅ローン減税の概要」、2025年度確認)。
【一覧表】2024年・2025年入居の借入限度額と最大控除額
住宅ローン減税の借入限度額は入居年と住宅の種類によって異なります。以下の表は2024年・2025年に入居する場合の新築住宅(買取再販含む)の借入限度額と、13年間の最大控除額をまとめたものです。
| 住宅の種類 | 借入限度額(2024年入居) | 借入限度額(2025年入居) | 控除期間 | 13年間の最大控除額 |
|---|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 4,500万円 | 13年 | 409.5万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 3,500万円 | 13年 | 318.5万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 3,000万円 | 13年 | 273万円 |
| その他の住宅(経過措置対象) | 2,000万円 | 原則対象外 | 10年 | 140万円 |
上記の最大控除額は「借入限度額 × 0.7% × 控除期間」で算出した理論上の上限値です。なお、子育て世帯(19歳未満の子を有する世帯)または若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)が2024年に入居する場合は、借入限度額が上乗せされます。認定住宅は5,000万円、ZEH水準は4,500万円、省エネ基準適合住宅は4,000万円となります(出典:国土交通省「令和6年度税制改正における住宅関連税制」、2025年度確認)。2025年入居についても同様の上乗せ措置が令和7年度税制改正で延長されています。
中古住宅の場合は、認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合住宅が借入限度額3,000万円、その他の住宅が2,000万円で、控除期間は一律10年間です。
控除額の具体的な計算例で理解する実際の減税効果
制度を正しく活用するには、実際にいくら減税されるかをシミュレーションすることが重要です。ここでは代表的な3つのケースで計算例を示します。
【ケース1】年収600万円の会社員がZEH水準省エネ住宅を4,000万円の住宅ローン(金利0.5%・35年返済・元利均等)で2025年に取得した場合を考えます。借入限度額は3,500万円のため、年末残高が3,500万円を超える期間は3,500万円が上限となります。1年目の年末残高は約3,905万円ですが、限度額の3,500万円が適用され、控除額は3,500万円 × 0.7% = 24.5万円です。年収600万円の会社員の所得税額は概算で約20万円、控除しきれない4.5万円は住民税から控除されます(住民税からの控除上限は9.75万円)。したがって1年目は満額の24.5万円が減税されます。
【ケース2】子育て世帯が認定長期優良住宅を5,500万円の住宅ローン(金利0.8%・35年返済)で2025年に取得した場合、借入限度額は上乗せ適用で5,000万円です。1年目の控除額は5,000万円 × 0.7% = 35万円が上限です。13年間の控除総額は最大で約409.5万円に達する計算となり、非常に大きな減税効果を得られます。
【ケース3】中古の省エネ基準適合マンションを2,500万円のローンで購入し2025年に入居した場合、借入限度額3,000万円以内のためローン残高全額が控除対象です。1年目の控除額は約2,500万円 × 0.7% = 17.5万円、10年間の控除総額は概算で約150万円となります。
これらの計算から分かるように、住宅の省エネ性能が高いほど借入限度額が大きくなり、結果として受けられる減税額に100万円以上の差が生じます。住宅取得の初期コストが多少上がっても、13年間のトータルで見れば省エネ性能の高い住宅のほうが経済的メリットが大きくなるケースが多いのです。
住宅ローン減税を受けるための適用要件
住宅ローン減税を受けるには、住宅と住宅ローンの両方について複数の要件を満たす必要があります。まず、住宅に関する主な要件として、床面積が50平方メートル以上であること(合計所得金額1,000万円以下の場合は40平方メートル以上)、取得の日から6か月以内に居住を開始し年末まで引き続き居住していること、居住用部分の床面積が全体の2分の1以上であることが求められます(出典:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合」、2025年度確認)。
借入金に関しては、返済期間が10年以上の住宅ローンであること、金融機関・住宅金融支援機構・勤務先等からの借入れであることが条件です。親族や知人からの借入れは対象外となります。また、勤務先からの借入れの場合は金利が年0.2%以上であることが必要です。
所得要件としては、控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下でなければなりません。さらに、居住年とその前2年・後3年の計6年間に、居住用財産の3,000万円特別控除や買換え特例等の適用を受けていないことも要件です。
2024年以降の新築住宅で特に重要なのが省エネ基準への適合要件です。省エネ基準に適合しない住宅は、前述の経過措置に該当する場合を除き、住宅ローン減税の対象となりません。これは住宅購入の検討段階で必ず確認すべき事項であり、建築会社やハウスメーカーに省エネ性能の等級を事前に確認することが不可欠です。
申請に必要な書類と省エネ性能の証明方法
住宅ローン減税の適用を受けるには、初年度に確定申告を行う必要があります。確定申告時に提出・提示が必要な主な書類は以下のとおりです。
- 確定申告書
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅ローンの年末残高証明書(金融機関から送付)
- 登記事項証明書(法務局で取得)
- 売買契約書または工事請負契約書の写し
- 省エネ基準適合を証明する書類
省エネ性能の証明書類は住宅の区分によって異なります。認定長期優良住宅の場合は「長期優良住宅認定通知書」の写し、認定低炭素住宅の場合は「低炭素建築物新築等計画認定通知書」の写しが必要です。ZEH水準省エネ住宅および省エネ基準適合住宅の場合は、「建設住宅性能評価書」の写し、または登録住宅性能評価機関等が発行する「住宅省エネルギー性能証明書」を提出します(出典:国土交通省「住宅ローン減税の申請に必要な書類」、2025年度確認)。
2024年以降に入居する場合、省エネ基準に適合しない新築住宅で経過措置の適用を受けるには、2023年12月31日以前の建築確認済証の写し、または登記事項証明書により2024年6月30日以前に建築されたことを証明する必要があります。これらの書類が揃わない場合は住宅ローン減税を受けられないため、住宅の契約前に証明書の取得可否を確認しておくことが極めて重要です。
なお、住宅の引渡し前に建築会社へ証明書の発行を依頼する必要があるケースが多いため、契約時点で「住宅ローン減税用の証明書を発行してほしい」と明確に伝