省エネ基準とは?2025年義務化をわかり > 省エネ基準適合住宅とは?証明書の取得方法 > この記事
住宅の省エネ性能が不動産価値に直結する時代が到来しています。2024年以降、住宅ローン控除の制度改正により、省エネ基準を満たさない新築住宅は控除対象から原則除外されました。省エネ基準適合は税制上の優遇を受けるための必須条件となり、将来的な資産価値にも大きな影響を及ぼします。本記事では、2024〜2025年入居に対応した住宅ローン控除・税制優遇の要件、具体的な控除額の計算例、必要書類、申請手順を網羅的に解説します。
この記事のポイント
- 5万円もの控除額の差が生じます。
- 4,000万円という手厚い限度額が設定されている点も注目に値します。
- 4,000万円×0.7%=28万円となります。
2024年以降の住宅ローン控除制度と省エネ要件の全体像
2022年度税制改正により住宅ローン控除制度は大幅に見直され、2024年1月以降に入居する新築住宅については省エネ基準適合が控除適用の原則要件となりました。従来は省エネ性能にかかわらず新築住宅であれば控除を受けられましたが、現行制度では省エネ基準に適合しない住宅は原則として住宅ローン控除の対象外です(出典:国土交通省「住宅ローン減税の概要」2024年4月更新)。
控除率は年末のローン残高に対して0.7%で、控除期間は新築住宅で13年間、中古住宅で10年間です。重要なのは、住宅の省エネ性能のレベルによって借入限度額(控除対象となるローン残高の上限)が段階的に設定されている点です。性能が高いほど借入限度額が大きくなり、結果として受けられる控除総額に数百万円単位の差が生じます。
2024年入居と2025年入居では借入限度額に違いがあります。2025年入居分は2024年入居分と比べて限度額が引き下げられる区分もあるため、入居時期の検討は資金計画に直結します。なお、子育て世帯・若者夫婦世帯(19歳未満の子を有する世帯または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)は2025年入居でも2024年水準の借入限度額が維持される優遇措置が設けられています(出典:財務省「令和6年度税制改正の大綱」、2025年度確認)。
省エネ性能レベル別の借入限度額と控除額の比較
住宅ローン控除における借入限度額は、住宅の省エネ性能に応じて4段階に分類されます。以下の表は、新築住宅における2024年入居・2025年入居それぞれの借入限度額と、13年間の最大控除額を示しています。
| 住宅の区分 | 2024年入居 借入限度額 | 2025年入居 借入限度額(一般) | 2025年入居 借入限度額(子育て・若者夫婦) | 13年間最大控除額(2024年入居) |
|---|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 4,500万円 | 5,000万円 | 409.5万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 3,500万円 | 4,500万円 | 318.5万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 2,000万円(10年間) | 4,000万円 | 273万円 |
| その他の住宅(省エネ基準非適合) | 0円(原則対象外) | 0円(原則対象外) | 0円(原則対象外) | 0円 |
(出典:国土交通省「住宅ローン減税の概要」2024年4月更新)
この表から明らかなように、認定長期優良住宅と省エネ基準非適合住宅では、13年間で最大409.5万円もの控除額の差が生じます。省エネ性能の向上に要する追加建築コストは一般的に100〜300万円程度とされており、税制優遇だけで建築コストの増分を回収できるケースも少なくありません。さらに2025年入居の子育て・若者夫婦世帯に対しては、認定住宅で5,000万円、省エネ基準適合住宅で4,000万円という手厚い限度額が設定されている点も注目に値します。
住宅ローン控除額の具体的な計算例
制度の仕組みをより明確に理解するため、具体的な計算例を示します。ここでは2024年入居、年末ローン残高が4,000万円、控除率0.7%、控除期間13年間という条件で、住宅区分ごとの控除額を比較します。
まず認定長期優良住宅の場合、借入限度額は4,500万円です。年末ローン残高4,000万円は限度額以内のため、年間控除額は4,000万円×0.7%=28万円となります。13年間の合計は単純計算で364万円ですが、実際にはローン残高が年々減少するため、年間控除額も段階的に低下します。仮に元利均等返済(金利0.5%、35年返済)で毎年の残高が約90万円ずつ減少する場合、13年間の控除合計は約315万円です。
次にZEH水準省エネ住宅の場合、借入限度額は3,500万円です。年末ローン残高4,000万円のうち控除対象は3,500万円に制限され、初年度の控除額は3,500万円×0.7%=24.5万円です。同条件で13年間の控除合計は約275万円となり、認定住宅と比べて約40万円の差が生じます。
省エネ基準適合住宅の場合は借入限度額3,000万円のため、初年度の控除額は3,000万円×0.7%=21万円です。13年間の合計は約235万円です。一方、省エネ基準非適合住宅は2024年入居では原則控除対象外となるため、控除額は0円です。認定住宅との差額は315万円にもなります。
ただし、控除額は所得税額(および住民税の一部、上限9.75万円)が上限となります。年間の所得税額が20万円の場合、住民税控除と合わせても最大約29.75万円しか控除されないため、借入限度額の上限まで控除を受けるには一定以上の所得税を納めている必要があります。
住宅ローン控除以外の省エネ住宅向け税制優遇
省エネ基準適合住宅が受けられる税制優遇は、住宅ローン控除だけではありません。複数の制度を組み合わせることで、トータルの経済メリットはさらに拡大します。
登録免許税については、認定長期優良住宅の所有権保存登記の税率が本則0.4%から0.1%に軽減されます。認定低炭素住宅も同様に0.1%です。一般住宅の軽減税率が0.15%であるのに対し、さらに低い税率が適用されます(出典:国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」、2025年度確認)。建物評価額が2,000万円の場合、一般住宅では3万円の登録免許税に対し、認定住宅では2万円となります。
不動産取得税については、認定長期優良住宅は課税標準からの控除額が一般住宅の1,200万円に対して1,300万円に拡大されます(出典:総務省「不動産取得税」、2025年度確認)。固定資産税の軽減措置も手厚く、新築住宅の固定資産税が2分の1に減額される期間は、一般住宅の3年間(マンションは5年間)に対し、認定長期優良住宅は5年間(マンションは7年間)に延長されます。
| 税制優遇 | 一般住宅 | 認定長期優良住宅 |
|---|---|---|
| 登録免許税(保存登記) | 0.15% | 0.1% |
| 不動産取得税控除額 | 1,200万円 | 1,300万円 |
| 固定資産税1/2減額期間(戸建て) | 3年間 | 5年間 |
さらに、贈与税の非課税措置においても省エネ性能による差が設けられています。住宅取得資金の贈与税非課税枠は、一般住宅が500万円であるのに対し、省エネ等住宅(省エネ基準適合住宅、認定住宅等)は1,000万円です(出典:国税庁「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」、2025年度確認)。親族から住宅資金の援助を受ける場合、省エネ住宅にすることで500万円多く非課税で受け取ることが可能です。
申請に必要な書類と省エネ性能の証明方法
住宅ローン控除の適用を受けるためには、住宅の省エネ性能を証明する書類を確定申告時に提出する必要があります。2024年以降、新築住宅では省エネ基準適合の証明が必須となったため、書類の準備は住宅取得の初期段階から計画的に進める必要があります。
省エネ基準適合を証明するための書類は、住宅の性能区分によって異なります。認定長期優良住宅の場合は所管行政庁が発行する「認定長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し」が必要です。認定低炭素住宅の場合は「低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し」を準備します。ZEH水準省エネ住宅および省エネ基準適合住宅の場合は、登録住宅性能評価機関が発行する「