BELSとは?建築物省エネ性能表示制度

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住宅や建築物の省エネ性能を「見える化」する制度として注目を集めているBELS(ベルス)。2024年4月からは建築物の省エネ性能表示制度が強化され、不動産広告や販売時に省エネ性能ラベルの表示が努力義務化されました。本記事では、BELSの仕組み・等級・取得手続き・費用から、住宅ローン控除や税制優遇との関連まで、具体的な数値を交えて詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 15万円程度の計算費用がかかることがあります。
  • 20%省エネ性能が高いということになります。
  • 40%以上削減)と住宅よりも厳しい水準が設定されています。

BELSとは?制度の概要と目的

BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)とは、新築・既存を問わず建築物の省エネルギー性能を第三者機関が客観的に評価し、星マークの数で分かりやすく表示する制度です。一般社団法人住宅性能評価・表示協会が運営しており、国土交通省が定める「建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針」に基づいて運用されています。

BELSが創設された背景には、建築物部門のエネルギー消費量が日本全体の約3割を占めているという事実があります(出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書2024」、2025年度確認)。消費者が住宅や建築物を選ぶ際に省エネ性能を比較検討できる仕組みを整備することで、省エネ性能の高い建築物の市場価値を高め、建築物部門全体のエネルギー消費量削減につなげることが制度の主要な目的です。

BELSの評価結果は「BELSプレート」と呼ばれる評価書に表示されます。このプレートには、星の数(1〜5つ星)、BEI(Building Energy Index)の数値、一次エネルギー消費量の基準適合状況などが記載されます。住宅の販売広告やモデルハウスの掲示に活用されるほか、住宅ローンの優遇金利や各種補助金の申請時にも活用される公的な評価指標です。

2024年4月からは改正建築物省エネ法に基づき、販売・賃貸時の省エネ性能表示が努力義務となりました。不動産ポータルサイトや広告チラシにおいて、省エネ性能ラベルの掲載が求められるようになり、BELSの重要性はさらに高まっています。

BELSの評価基準と星の等級

BELSの評価は、BEI(Building Energy Index)という指標をもとに行われます。BEIとは、設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で除した値であり、数値が小さいほど省エネ性能が高いことを意味します。BEIが1.0の場合は省エネ基準ちょうどの性能であり、0.8であれば基準より20%省エネ性能が高いということになります。

住宅(非住宅以外)のBELS評価における星の等級とBEI値の関係は以下のとおりです。

星の数 BEI値(住宅) 該当する水準
★★★★★(5つ星) BEI ≦ 0.8 基準より20%以上削減
★★★★(4つ星) 0.8 < BEI ≦ 0.85 基準より15〜20%削減
★★★(3つ星) 0.85 < BEI ≦ 0.9 基準より10〜15%削減
★★(2つ星) 0.9 < BEI ≦ 1.0 省エネ基準適合
★(1つ星) 1.0 < BEI ≦ 1.1 基準未達だが一定性能あり

(出典:一般社団法人住宅性能評価・表示協会「BELSの概要」、2025年度確認)

非住宅建築物の場合は基準値が異なり、5つ星はBEI ≦ 0.6(基準の40%以上削減)と住宅よりも厳しい水準が設定されています。また、BELSでは一次エネルギー消費量だけでなく、外皮性能(UA値やηAC値)も評価対象となります。住宅のUA値(外皮平均熱貫流率)は地域区分ごとに基準が異なり、例えば東京都(6地域)の省エネ基準ではUA値0.87W/(㎡・K)以下、ZEH基準ではUA値0.60W/(㎡・K)以下が求められます(出典:国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能表示制度」、2025年度確認)。

BEIの計算方法と外皮性能の評価

BELSの評価に用いるBEI値を算出するためには、設計一次エネルギー消費量の計算が必要です。一次エネルギー消費量とは、建築物で使用される暖冷房・換気・照明・給湯・家電等のエネルギーを熱量(MJ/年)に換算した値であり、国立研究開発法人建築研究所が提供する「エネルギー消費性能計算プログラム(WEBプログラム)」を用いて算出します。

住宅の場合、計算に必要な入力項目は大きく分けて「外皮性能」と「設備性能」の2つです。外皮性能については、壁・屋根・床・窓などの断熱仕様から外皮平均熱貫流率(UA値)と冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)を計算します。設備性能については、暖房設備(エアコン・床暖房等)、冷房設備、換気設備、照明設備、給湯設備(エコキュート・エコジョーズ等)のそれぞれについて、機器の効率や仕様を入力します。

計算方法には、詳細な「標準計算ルート」のほか、簡易的な「モデル住宅法」や「仕様基準」による方法もあります。標準計算ルートでは建物の形状や方位、各部位の断熱材厚さや窓の日射遮蔽性能まで詳細に入力するため、精度の高い評価が可能です。一方、モデル住宅法は仕様を簡易に入力するだけで基準適合の判定ができるため、小規模な戸建住宅では活用しやすい方法です。

太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー設備を導入している場合、その発電量を「エネルギー削減量」として設計一次エネルギー消費量から差し引くことができます。これにより、BEI値がさらに小さくなり、高い星の評価を得やすくなります。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に該当する住宅では、再生可能エネルギーを含めたBEI値が0以下(消費量を発電量が上回る)となるケースもあります。

BELS取得の手続きと費用

BELSの取得は、国土交通省に登録された第三者評価機関(登録BELS評価機関)に申請して行います。2024年時点で全国に約20の評価機関が登録されており、建築確認検査機関や住宅性能評価機関が兼務しているケースが多いです。取得の流れは以下のとおりです。

まず、建築主または設計者がエネルギー消費性能計算プログラムを用いて省エネ性能の計算を行い、必要図書(設計図書、計算書、設備仕様書等)を準備します。次に、登録BELS評価機関に評価申請書とともに必要図書を提出します。評価機関が書類審査を行い、省エネ基準への適合状況とBEI値を確認した上で、評価書(BELSプレート)が交付されます。申請から交付までの標準的な期間は、書類に不備がなければ1〜2週間程度です。

費用は評価機関や建物規模によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。

建物種別 延べ面積 評価手数料の目安
戸建住宅(一戸建て) 200㎡未満 約1万〜3万円
共同住宅(全体評価) 2,000㎡未満 約10万〜20万円
非住宅建築物(事務所等) 2,000㎡未満 約15万〜30万円
非住宅建築物(大規模) 10,000㎡以上 約30万〜50万円以上

(出典:各登録BELS評価機関の公開料金表をもとに筆者作成、2025年度確認)

上記の手数料は評価機関への支払い分であり、省エネ計算を設計事務所やコンサルタントに外注する場合は、別途5万〜15万円程度の計算費用がかかることがあります。ハウスメーカーや工務店が標準サービスとしてBELS取得をパッケージに含めている場合は、建築費用に含まれていることもあるため、事前に確認することが重要です。

住宅ローン控除・税制優遇との関連

BELSの取得は、各種税制優遇や補助金の適用を受けるための重要な証明手段となっています。特に住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)との関連は、住宅購入検討者にとって大きなメリットです。

2024年以降に入居する新築住宅の住宅ローン控除では、省エネ基準に適合しない住宅は控除の対象外となりました。控除対象となる住宅の借入限度額は省エネ性能のレベルに応じて段階的に設定されており、2024年・2025年入居の場合は以下のとおりです。

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